2024年から施行「新たな介護職員処遇改善加算・補助金」

こんにちは!東京都江戸川のユニケア訪問看護リハビリステーションです。

昨年は皆様に大変お世話になり、誠にありがとうございました。

まず、新年早々発生した「令和6年能登半島地震」で被災された皆様、そして翌日に発生した羽田空港内での航空事故に遭われた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。また今回の地震・事故で無念にもお亡くなりになった方々に対し、謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

筆者には義援金をお送りすること位しかできることがなく、本当に無力でなりません。

現地で避難されている方々の心情を思うと、胸が苦しくなります。

1日も早い復興を、謹んでお祈り申し上げます。

ユニケアでは通常の訪問看護サービスだけでなく、各種委員会活動やカンファレンス、地域交流活動などに取り組んでおります。

昨年以前と同様、2024年もこのような活動は精力的に行いたいと考えております。

改めまして、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

本日のテーマ

昨年末から申し上げておりますが、2024年4月より(訪問看護は6月から)介護報酬改定が行われます。

今回の報酬改定は、史上最大の大改定といわれており、情報をキャッチアップするのはなかなか大変です笑

今回は「介護職員処遇改善加算」の改定について取り上げます。

過去にも本コラムで何度か取り上げてまいりましたが、いろいろ動きがあります。

内容が、一部過去記事の再掲という形になるかもしれませんが、最新情報含めお伝えしたいと存じます。

最後までお付き合いいただけますと幸いです。

2024年介護報酬改定の改定率

昨年12月20日に「介護報酬改定に関する審議報告」がまとまり、同時に改定率が正式決定しました。

2024年度の介護報酬改定率は、プラス1.59%。

このうち、処遇改善に関わる部分が0.98%分含まれるため、それ以外の基本報酬・加算分は実質「0.61%のプラス」となります。

この数字が高いのか低いのか・・・

ちなみに前回改定(2021年度)がプラス0.7%だったのですが、これはコロナ禍対策に関わる増収分も考慮されていたと思います。

今回の改定は、「物価高」「エネルギーコスト増大」という深刻な問題に対し、介護報酬にどう反映されるのかが注目されました。

さらなる上積みが期待されていましたが、今回は0.61%でしたので、この部分だけを見ると「マイナス改定」と捉える有識者もいらっしゃるようです。

皆様はどう思われますか?

介護職員の処遇改善について―期間限定の「補助金」交付

先ほどもお伝えした通り、公表された改定率の1.59%には、介護職員の処遇改善に充てる分の0.98%が含まれています。

こちらも過去記事でお伝えしたかもしれませんが、介護職員処遇改善加算の運用が大きく変わり、これまでの「処遇改善」「特定処遇改善」「ベースアップ」の3加算は、今後一本化されます。

それに先立ち、2024年2月から「月6千円相当の新たな処遇改善」の一環として「処遇改善支援補助金」が実施されます。

今回の処遇改善にかかるプラス分0.98%の中に、この補助金は組み込まれております。

「処遇改善支援補助金」は本年5月まで実施され、6月からは一本化される新たな「処遇改善加算」に統合される予定となっております。

国は「事務負担の軽減」を打ち出すが・・・

介護職員の処遇か改善されることに、喜ばない関係者はいらっしゃらないでしょう。

介護職員であれば誰であっても、ご自身の収入が増えるほうがよいに決まっています。

また、国はかねてからこの処遇改善3加算の算定にかかる事務作業着目し、この煩雑極まりない事務手続きを何とか改善できないかと思案していたようです。

今回厚生労働省は、事務負担の軽減を主目的として、この3加算を統合することを決めました。国も「ここまでやったぞ」と、大いに胸を張っているようです。

ただ、諸手をあげて喜んでも大丈夫なのでしょうか?

と申しますのも、過去にもこの件は問題視され、報酬改定の都度「事務負担軽減」への取り組みを行っているものの、事業者レベルでは負担軽減につながっているとは言えないからです。

一本化される「処遇改善加算」ですが、本当に事務負担が軽減されるのか・・・

今回交付が決まった補助金についても、算定準備が非常に限定的となり、事務負担が同時期に集中することとなります。これは行政側(都道府県・市区町村)も同様でしょう。

今回の報酬改定も、医療系サービス(訪問看護・訪問リハ・通所リハ・居宅療養管理指導)については6月改定となりました。

ただでさえ今回は「大改定」となり、様々な準備を行っていく必要があるのに、今回の補助金の受給申請を行っていく余裕があるのか・・・

事業所よっては、あえて支援補助金は受給せず、6月からの「処遇改善加算」からの算定を選択する事業所も出てこないとも限りません。

また、今回の補助金は「介護職員の6千円の賃上げ率が2%程度に相当する」とされているそうです。

※サービスごとの加算率は下記の通りです。

この数字は、まだまだ一般業種での賃上げ率には遠く及びません。

事務的な負担軽減もさることながら、今回の改定で本当に全業種の平均賃金に近づけることができるのか。

国はいろいろ考えてくれてはいますが、結局のところ法人の経営努力によるところが大きいということでしょうか。

それは至極当然ではあるのですが、介護保険事業において介護報酬が売り上げのメインであることを考えると、「経営努力」という言葉で片付けられてしまうのは厳しいものもあります。

さらに今回の補助金は、いつもの通り「訪問看護」「福祉用具」「居宅介護支援」といった事業は対象外です。

介護職員の処遇改善が大事であることは、重々承知しております。

しかしいい加減、この問題も何とかしてほしいものです・・・

まとめ

今回は、2024年から大幅に変わる「介護職員処遇改善加算」にかかる新情報・問題点等について取り上げました。

つい最近配信された「介護職員処遇改善支援補助金」についても、なかなか準備に着手する時間がないため、大変な部分はあると思います。

本コラムでは、皆様が普段お忙しく大変な「各種情報の収集」について、少しでもわかりやすくご案内し、必要な情報が得られるよう工夫しながら発信していきたいと考えております。

今回もお読みいただきありがとうございました。

次回以降は「訪問看護の医療保険オンライン請求」「居宅介護支援事業の報酬改定に関する解説」等について取り上げてまいりたいと存じます。

どうぞ、次回の投稿をお楽しみに!