こんにちは!東京都江戸川区のユニケア訪問看護リハビリステーションです。
もう、このコラムでも何度もご紹介していることですが、介護業界における人材不足は深刻です。
深刻な人材不足が続く介護現場において、介護士が働きやすい、続けやすい環境作りをすることは急務とされています。
そのカギとなるのは、いかにして介護業界で働き方改革を実現するかにかかっていると思われます。
どのような働き方改革をすれば介護現場の状況は改善されるのでしょうか。また、介護業界で働き方改革を検討する余地はないのでしょうか。
考え方ひとつで、実現の余地は十分あると思います。
そのヒントを得るために役立つ事例などを考えたいと存じますので、是非最後までご覧いただければ幸いです。

介護業界で働く方々について、労働上何が問題になっているかについて考えてみましょう。
・長時間労働や残業
・有休休暇の所得
・肉体的・精神的な疲労
等が挙げられると思います。
介護現場で働く介護職員の方もそうですが、管理的な仕事をされている方の労働環境は、正直よい状態ではないと考えます。
人手不足に悩む事業所(法人)の中には、業務過多になっている部分を誰から穴埋めしているケースも多いのではないでしょうか。
1人で現場や事務仕事、送迎、清掃等何役もこなし、休んだ方の穴埋めもしていては、とても休めないし有給休暇がとれないでしょう。残業を減らすことも困難です。
このような「残業も多すぎる」「休めない」という状況が常態化している事業所は決して少なくありません。
この問題について、国は有給休暇の取得義務化や残業時間の規制といった法令による縛りを設けました。
介護事業を行う事業者は、従業者の働き方に対して最大限の配慮をすることが求められているのです。
しかし、現場は忙しい。
そんなに簡単な話ではないとお考えの方もいらっしゃるかもしれません。
介護事業者は、従業者の働き方をよくするためにどうすればよいのでしょうか?

介護事業における従業員の働き方改革の第一歩は、「業務の効率化」を考えることでしょう。
具体的にどのようなことに取り組めばよいのか、どの事業所においても100%通用する最適解はないかもしれません。
しかし、ないわけではありません。
ここでは、筆者が考える介護現場での「働き方改革」例を挙げてみたいと思います。
1. 介護士の専門性を意識した分業制の徹底
現在事業所で行われている業務の中で、介護士でないとできない専門性の高い業務と、そうでない業務とに仕分けをすることです。
介護職として働く方が、ご利用者様のケアだけでなく清掃や事務といった仕事まで行っていたのでは、時間がいくらあっても足りなくなります。
基本的に介護士は、ご利用者様の入浴や食事・排せつの介助などといった身の回りのお世話をする立場です。
身体的な介助は、誰に任せてもよいという性質のものではありません。専門的な知識や技術などが求められます。
一方、清掃やレクリエーション、事務作業などについては介護士でなくてもできることです。現状ではこれらの仕事も介護士任せにしている施設が多いため、その分介護士の仕事の範囲が膨大なものになってしまい、疲弊してしまうという悪循環を生みだしているという現状はあると思います。
専門性の高い業務については有資格者である介護職員に任せ、そうでない非コア業務については別の方にお任せするという考え方は一理あると思います。
非コア業務をパート職員さんにお願いするという方法もありますが、規模の大きい施設等であれば、清掃やレクリエーションなどを外部企業に委託するというのも、検討に値するといえるのではないでしょうか。
分業制を徹底し、介護士は介護業務のみに専念できるような環境を整えるだけで、随分働く環境は変わると思われます。
2. 記録や情報共有等に関するツールの導入
介護現場では、介護士のシフトの入れ替わり時の申し送りなどに、結構な時間がかかるケースがいまだにあるようです。
こういったコミュニケーションについて、適宜情報共有ツールを活用し、より効率化するというのも働き方改革のために必要な考え方になります。
ご利用者様の健康状態、介護内容などといった介護記録を、従来の手書きからデータ入力に変え、パソコンやスマホでその情報を共有できるツールを導入すれば、申し送りなどの効率は飛躍的に高まっていくでしょう。
ICTの活用を推進できない事業所は、今後長期的な事業継続が難しくなってしまうかもしれません。
介護業界はまだまだこうしたツールが全体的に浸透している状況とはいえません。
事業所の中には、スタッフの高齢化もあってかICTの導入に躊躇されるところもあるでしょう。最初のうちは現場でもツール利用に対する戸惑いの声も出るかもしれません。

しかし、一時的に時間をかけてでも、これは推進していかなくてはならないでしょう。
最近では、年齢の高い方でもスマートフォンを使いこなす方がかなり増えてきています。
携帯電話キャリア会社の中では、高齢者を対象にした「スマホ教室」を定期的に開催し、普及活動を進める会社も増えています。
また最近では、介護記録ソフトにも便利機能を搭載したものも出て来ています。
「ケアカルテ」という介護ソフトでは、例えば職員バイタルを声に出して話すだけで「記録」になるようなものもあります。
スマホに音声検索ツール「Siri」がありますが、最近のSiriの機能はかなり性能が上がってきています。
AI技術がさらに進化することにより、スタッフさんが言葉で話すだけで「記録」として活用できれば、介護職員の皆さんの業務負担は格段に減り、その分をサービス向上に結びつけることが期待できます。
本当に介護サービスの生産性を高めるために、介護ソフト会社ももっと本気になって取り組んでいただきたいです。
3. 介助機器の積極的な導入
介護ロボットなどを活用した機器の導入も有効でしょう。
今、機械浴槽やリフト機器、体位変換可能なベッドなどを使い、ご利用者様の移動、持ち上げや入浴を負担なく行えるようになっています。
これは、ご利用者様だけでなく、介護士の身体的負担を大きく削減できます。
また、従業員のケアの意味合いから、酸素カプセルやマッサージ機等を従業員にも利用できるような環境をつくっている会社も出て来ているようです。
これは筆者個人的な話かもしれませんが、介護士さんたちが元気に楽しく仕事が出来、結果的に業務効率のアップにつながり離職率が減らせるのであれば、決して高い投資ではないかな、と思ったりします。
4.福利厚生の充実
介護事業を営む法人の中には、例えば退職金制度の導入がされていないところや、福利厚生があまり充実していないところもあるようです。
これらをすべて自社で設計することは、まず難しいでしょう。
ただ、近年では中小企業等を対象にした「福利厚生サービス」が出て来ています。
東京商工会議所の「CLUB CCI」というサービスは、法人単位で年会費を支払うことにより様々な福利厚生サービスを利用することが出来ます。
例えば、旅行費用の補助が受けられたり、スポーツジムを格安で利用できたりといろいろあります。
退職金制度も同様です。退職金制度を自社で構築することが難しい中小企業のために、「独立行政法人勤労者退職金共済機構」が提供する「中小企業退職金共済制度」というものがあります。
少ない掛け金で、従業者に対して退職金制度を構築することが出来る制度です。
「働き方改革」とは直接関係ない話かもしれません。
単純比較はできませんが、働き手の立場で考えれば、このような制度を導入する法人とそうでない法人があったとした場合、やはり「導入している会社」を選ぶのではないでしょうか。

介護現場での働き方改革の例として、分業制の徹底、情報共有ツールの導入、介護・介助のサポートや介護士のケアに役立つ機器の導入、福利厚生の充実等を取り上げさせていただきました。
これまでの介護現場は、人手不足から介護士たちの労働環境の過酷さが改善されにくい傾向にありました。働き方改革はそうした流れを断ち切り、介護士たちが長く働ける介護現場を作れる大きなチャンスでもあります。
人材を物理的に増やすことは容易ではありません。ここは発想の転換を図っていただき、できるところから始めていければよいですね。
これは、会社がいかに「本気」で取り組む覚悟を持てるかにかかっていると思われます。
本日もお読みいただき、誠にありがとうございます。
ユニケアでは、これからも皆様にとりまして有益な情報が発信できますよう、努力を重ねてまいります。
どうか今後ともご愛顧を賜りますよう、よろしくお願いいたします。