【緩和ケア勉強会】某大学病院外部講師の方に講師に来ていただきました!

2023年8月4日

こんにちは。東京都江戸川区のユニケア訪問看護リハビリステーションです。

先日、某大学病院外部講師の方にユニケア葛西の事業所へ出張講座にお越しいただきました!

実は今後、某大学病院の先生方に月1回ご講義いただけることとなり、更なるスタッフの知識向上のための機会をいただけることにスタッフ一同とても高揚しているところです。

そんな第一回の講義は「緩和ケア」についての出張講座です。

講義の最初に先生は次のようにお話されました。

先生
先生

長らくがん治療センターで働いてきましたが、緩和ケアはがんだけじゃありません。

人間の命が尽きることは当たり前で、みんなが経験することです。

そのため、その最期の瞬間に人間がどんな問題に直面するかということを患者様とご家族、すべての人たちに伝えていきたいんです。

確かに、「緩和ケア」というと「末期がん」のイメージが大変強く、長い経過を経ながら病と向き合っていくという印象を持たれている方が少なくないと思います。

もちろん、緩和ケア病棟内での緩和ケアの対象疾患は末期がんやAIDSの方と定められていますが、緩和ケア病棟以外、特に在宅の場である訪問看護ではその幅が大きく広がります。

そのため「緩和ケアとは何か」「どのような身体的精神的ケアが必要なのか」「薬剤コントロールやアセスメントなどの看護的視点は何か」といった専門的な知識の役立つ機会が非常に多いと日々感じており、今回の先生のご講義は本当に興味深く勉強になるものばかりでした!

ご講義いただいた内容の中で、今回はいくつかご紹介させていただきたいと思いますので最後までお付き合いいただけますと嬉しいです。

がん治療病院での緩和ケアのフェーズ

がん治療病院での緩和ケアのフェーズには以下の流れがあるそうです。

①診断時:「告知の衝撃を止める」「納得してがん治療を受ける」…がんの診断、悪い知らせなど
②治療時:「治療合併症の予防・緩和」「生活と治療の両立」「自分らしい生活を継続」…経済的負担、家族の問題など
③再発・進行時:「告知の衝撃を受け止める」「納得してがん治療を受ける」「自分らしい生活の継続…がん治療中の症状緩和
④治療困難時:「症状緩和」「病状を受け止める」「最期まで自分らしく過ごす」…終末期ケア

緩和ケアはがん治療とセットで行うことで、がんの治癒・余命延長・QOLの向上を目指し、その時々に家族などの大切な人、医療者と意思を確認し共有・話し合いを行うことが求められます。

患者様の中には、治療に効き目があるのに経済的な理由で治療やめようとしてしまう人もいるそうで、現場ではよく起きている問題だそうです。

倫理的に難しいことですが、治療の選択肢や展開に関してのしっかりとした説明があることで、そんな経済的な不安を抱えている患者様にとってベストな選択をしていただけるよう関わっていくことも大切なんですね。

某大学病院のがん相談支援センター

患者様が医療者に言えないことなどを相談出来る場所として、先生の勤務される病院にもがん相談支援センターが設置されています。

先生は、「がんになる前からみんなに知ってもらいたい」という思いで、区と一緒にがん相談支援センターの告知したりPR活動をしているそうで、その活動の一環として市の図書館にもPRチラシを置いてもらっているそうです。

がん相談支援センターには、よく中高年の方がいらっしゃるそうですが、女性の方が多く来られることが多いそうです。

しかし、図書館に置いてもらっているPRチラシなどはよく男性の方が手に取るそうで、そのターゲットが実際にセンターにお越しいただける女性の方と対比関係にあることからも、より多くの方に知っていただくためには大変貴重な場になっているそうです。

最新の医療に触れないまま、昔の文献などを見て間違えた方向に向かってしまう方もいるため、常に最新のものに触れて欲しいという気持ちで活動されているそうですよ。

本人と家族のサポート

ご本人への身体的・精神的サポートにくわえ、ご家族へのサポートも大切となる訪問看護。

がん相談支援センターでご勤務されている中で、先生は次のようにお話されています。

先生
先生

緩和ケアチームはありますが、すべての治療はこのチームだけでは完結しません。

地域の方、行政の方、時には企業の方とも連携が必要になります。

また、センターでの活動を通じて、患者さんが「自分の進行状況や今後の展開」をわかっているだけで、やりたいことをやるために今どうするべきかを一緒に検討したり、前に向いていくきっかけにもなるんです。

話して泣いて吐き出すだけでもいいんです。

ご家族にとっても、「最後までやってあげたいことをしてあげれたかどうか」ということがご家族の後の人生にも大きく影響しますので、ご本人ご本人・ご家族含めたサポートができるよう努めています。

疼痛に対する症状緩和について(看護と薬剤コントロール)

先生のご講義では、次のような項目についてお話いただけました。

・痛みの評価項目

・痛みの強さのヒアリング

・痛みの性状と分類

・痛みのパターンのヒアリング

・レスキュー(頓服薬)の使用と必要性の説明

・オピオイド鎮痛薬の種類と力価換算、副作用

・がん疼痛のマネジメントにおける看護師の役割

看護師には、医師の指示によって処方された薬剤を適切に使用し痛みのコントロールができているかを確認する作業が求められています。

必要に応じて、現在のご本人の状態の報告をし薬剤コントロールについての相談をすることもあります。

その際に、「どんな性質の痛みなのか」「どんなパターンの痛みなのか」「しっかりと内服できているのか、それとも副作用を恐れてレスキューの使用を避けているのか」「ベースの痛みはどの程度なのか」「内服後の痛みの性質やパターンに変化はあるのか」などといった疼痛の関する総合的な評価が必要であり、それによってどのタイプの鎮痛薬が有効なのか、量はどの程度がベストなのか、ベースの薬剤量をアップするべきなのかレスキューの使用を推奨するべきなのかをアセスメントすることが大切だと学びました。

病院と違い毎日医師が在籍しているわけではない在宅ケアの場では、一番訪問頻度の多い看護師やセラピストがリアルタイムなご本人の状態を把握し、多職種へ情報共有をしながら「今の痛み・苦痛に対する緩和ケア」を展開していく必要があります。

そのためにもこのような貴重なアセスメント方法についてご講義いただいたことで、間違えなくスタッフ全員の知識量とアセスメントの観点が大きく広がっただろうと強く感じました。

本当に貴重なご講義をしていただき、ありがとうございました!

ユニケアでは今後、某大学病院の先生方に月1回ご講義いただけることとなっております。

これからもぜひユニケア活動報告記事をチェックしていただけますと嬉しいです!


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また次回の更新をお楽しみに♪