介護業界だからこそ考えるべき「採用ブランディング」

こんにちは!東京都江戸川区のユニケア訪問看護リハビリステーションです。

ここ数日、本当に暑い日が続きますね。あまりの暑さにクラクラしてしまいます・・・

ご利用者様が熱中症にならないよう、水分補給や適度なエアコン使用など本当に注意が必要ですが、それと同じくらい私たち訪問看護師をはじめとしたサービス従事者が、常に健康でい続けなくてはなりません。

毎回毎回同じことを申し上げてしまい恐縮ですが、皆様本当に気をつけてまいりましょう。

本日のテーマ

企業に必要な人材像を掲げてターゲットを絞り、採用サイトなどを駆使して採用活動をしても、一定の成果をあげるのは決して簡単にはいかないものです。

そのような中で、自社をブランド化して求職者の採用活動を強化する「採用ブランディング」という戦略が注目されています。

今回はそのメリットや成功へのポイントについて、事例を交えながらご紹介いたします。

ぜひ最後までお読みいただければ幸いです。

採用ブランディングとは

 採用ブランディングとは、採用市場において自社のブランド力を高める活動のことを指します。

採用ブランディングでは、ブランディングの対象は「働く場」としての自社になります。「この企業で働いてみたい」「働くと○○な魅力がある」と求職者に認識してもらえるよう、自社の理念やビジョン、社風、働きやすさ、入社するメリットなどの情報を発信し、戦略的にブランドを構築していく採用手法です。

採用ブランディングにおいては、広義のブランディングのようなテレビCMや有名俳優などを活用してのイメージアップといった手法はなかなか使えないことが多いでしょう。

そのため採用ブランディングでは、企業の思いを伝えるキャッチコピーやメッセージがより重要になってくると考えられます。

採用ブランディングが求められている背景

株式会社帝国データバンクは「人手不足に対する企業の動向調査(2022年10月)」において、「人手不足の上昇に歯止めがかからない」と分析しています。

調査によれば、人手不足を感じていると答えた企業の割合は、正社員で51.1%、非正社員で31.0%に上ります。新型コロナウイルス感染症が拡大した2020年4月以降で最も高い数字であり、正社員では6カ月連続、非正社員では5カ月連続での上昇となりました。

他業種でもこのような状況ですので、介護業界の人材不足はもっと深刻です。

このような人手不足を背景に、企業の採用活動を取り巻く状況は厳しさを増しているといえるでしょう。

給与やポジションといった条件面だけではなく、企業の本質的な魅力を伝えることができなければ、優秀な人材を確保することは難しいのが実情です。

著者の周囲でも、採用に苦労する採用担当者の声をしばしば耳にします。

そこで改めて重視されているのが、採用ブランディングだと考えられます。中長期的な未来を見据えて、自社のファンを増やしていく採用ブランディングの役割はますます大きくなっているといえるでしょう。

採用ブランディングを行うメリット

母集団の数・質の向上

求職者が応募や入社を検討するにあたっては、雇用条件や企業の認知度で比較し、検討することが一般的です。採用ブランディングができていない企業がそのまま募集を開始すると、知名度の高い他社に劣ってしまうといったことはよくあります。

しかしこのような場合も、採用ブランディングが成功していれば、雇用条件以外での他社との差別化も可能になります。企業の魅力を求職者が認知した状態をつくることによって、より多くの、そして、より企業が求める採用ターゲットに近い求職者を獲得することができます。なぜなら、ブランディングが成功し求職者がファン化しているということは、年収、休日などの条件重視ではなく、理念や社風に魅力を感じているということだからです。

入社後の活躍・定着

採用ブランディングを行うことで、企業の価値観や魅力を理解した上で入社を希望する人を増やすことが可能になるため、入社後のミスマッチが起こりにくく、従業員満足度や定着率の向上にもつながる可能性があります。

また、働く場としての企業の魅力を社外に発信し、広く認知されれば、現在働いている従業員が誇りや喜びを感じることが増えるかもしれません。従業員のモチベーションアップといった効果も期待できます。

採用コストの削減

採用ブランディングが成功すれば、求人媒体や人材紹介で求める人材からの応募が増えたり、リファラル採用やダイレクト・リクルーティング、自社のWebサイトなどでも募集に成功したりする可能性があります。

応募が増えて短期間で適切な人材が確保できることで、できるだけ採用コストを抑えて母集団を形成できる仕組みをつくることができると考えられます。

従業員のモチベーションアップを図ることができる

採用ブランディングを行う過程で、企業の考えや思いが社内の従業員に伝わります。そうした企業に対する再認識が、従業員一人ひとりが企業の発展に貢献する存在としての自分自身を再認識し、より強く帰属意識を持ってもらうきっかけとなる可能性があります。企業への帰属意識の高まりは、従業員のモチベーション向上に寄与することが期待できます。

競合他社との差別化が期待できる

採用活動を成功させるためには、競合他社との違いを明確にし、わかりやすく発信することも必要です。

採用ブランディングを推進することは、他社との差別化を図ることと同義といってよいでしょう。簡単なことではありませんが、大変重要です。

他社との差別化を推進するためには、自社の強みを正しく理解することが重要です。自社の魅力は何なのか、他社に負けない強みはどこにあるのかを洗い出すのです。

自社がターゲット層を定めて、それを訴求できる方法・コンテンツを駆使して自社の魅力をアピールすることができれば、必然的に競合他社との差別化が実現できるでしょう。

採用ブランディングを行う手順

採用ターゲットを明確にする

企業が採用活動を行う目的は、欠員補充、組織力強化、新事業の拡大とさまざまです。

いずれの目的においても、ターゲットとなる人材の母集団を拡大することは大切ですが、その際、採用ターゲットが不明確になり、伝えるメッセージも打ち手も絞れないといった状態に陥りがちです。

そのため、採用ターゲットを明確にすることが効果的なブランディングの第一歩といえます。採用ターゲットを設定する際には、スキル・経験だけでなく、具体的な人物像まで設定することが重要です。

採用ブランディングの手法や届けるメッセージ、デザインを設計するときに、「この人の興味関心に当てはまりそう」という判断基準を持って進めることができるようになるからです。

自社の立ち位置を把握し、魅力を言語化する

採用市場において自社がどのような立ち位置にあるか、採用競合と比較した場合にどのような違いがあるのかを明確に把握する必要があります。

また採用市場において自社がどのように認知されているか、自社は求職者にどのような価値や機会を提供できるか、採用ターゲットは何を重視して企業を選んでいるのかを知っておくことも重要です。

自社について客観的に整理・分析したあとは、ターゲットに伝える自社の魅力を言語化していきましょう。

採用コンセプトの立案

採用コンセプトとは、採用活動に一貫性をもたらす基本方針・メッセージのことです。コンセプトをつくることで、メッセージに一貫性と継続性が生まれ、伝えたいメッセージが浸透しやすくなります。

採用ターゲットにどのようなブランドイメージを持ってもらいたいかを検討して、採用コンセプトを立案していきましょう。

情報発信するメディアや手法の決定

「誰に(採用ターゲット)」と「何を(採用コンセプト)」が決まったら、次は「どのように(メディア・手法)」伝えるかを考えていきます。

情報を発信するためのメディアは、求人媒体などの採用メディア、企業の求職者向けWebページ、イベント、企業説明会、SNSなどがあります。

特に企業が運営する求職者向けWebページやSNSは、企業の魅力を継続的に発信することができ、採用ブランディングの軸となるメディアと考えられます。

口コミやアクセス数などを分析しながらPDCAを回し、採用ブランディングのブラッシュアップに役立てていきましょう。

情報発信する手法もさまざまあり、記事やブログ、画像のほか、最近では動画を活用するケースも増えてきています。

従業員とブランドイメージを共有する

企業の目指すブランドイメージを従業員にも言葉で説明し、ディスカッションやグループワークで「どのような人に入社してほしいか」「入社したいと思える会社の魅力は何か」などについて、従業員が考える機会をつくるとよいでしょう。

長期的な視点をもって実行する

採用ブランディングを実行する上で、企業や商品のブランディングと同様、中長期的な視点をもつことが不可欠です。

たとえば、自社のWebサイトやSNS等を駆使してターゲットからのアクセスを獲得していくためには、継続的に記事をアップするなどの努力が必要です。

即効性を期待する気持ちは理解できますが、数年単位で運用計画を立ててじっくり取り組む中で費用対効果を図ることが望ましいでしょう。

時間をかけて採用ブランディングに注力していくことにより、数年後に花が咲き、自社の採用力強化につながるとともに企業の成長へと結びつくことが期待できます。

採用ブランディングの発信手段

採用ブランディングの発信手段は様々あります。その中でよく活用されている代表的なものをご紹介します。

SNS

FacebookやTwitter、TikTokなどSNSを活用して行われる採用活動のことをいいます。 主に新卒採用向けとして活用されています。

スマートフォン・SNSの普及に伴い、若年層を中心にSNSの利用率や利用時間は増加の一途であり、若年層へ訴求するためには決して無視できないツールの一つといっても過言ではありません。

情報の拡散力が高いのもメリットの一つといえるでしょう。

動画メディア

動画メディアとは、情報発信やプロモーションを「動画ベース」で行う方法です。

動画メディアの最大のメリットは「短い時間で多くの情報を届けられる」点といえるでしょう。時間や場所を選ばずに情報を取得することもできるのも特長の一つです。最近では多くの企業で動画を使ったサイトを発信しています。

ブログ

ブログは「ウェブログ」の略称であり、21世紀に入ってから急速に普及したコミュニケーション手法です。

記事へのコメントの投稿や、トラックバックでの他ブログの記事の参照など、コミュニティ化を促す機能が充実している点で、従来のホームページとの違いがあります。また、ホームページ構築で必要となるHTMLなどの技術を使わなくても、ブラウザ上の操作のみで気軽に記事を投稿できる点も特長の一つです。

SNSや動画メディアに比べると歴史も古い技術ですが、現在でもインターネットの情報発信の主流といっても過言ではないでしょう。

イベント・ミートアップ

インターンや説明会、座談会など、求職者と直接的なコミュニケーションを取る手法です。企業が主催する説明会や、大規模なイベントスペースで複数の企業がブースを設置して企業説明を行うイベントなど多岐にわたります。

採用イベントは新卒採用や中途採用など、業界を問わず各地で行われています。

近年では、就労を体験できるインターンや、交流会タイプのミートアップなども注目されています。直接コミュニケーションを取れることは大きなメリットですが、時間的制約が大きいデメリットもあります。

 まとめ

感染症のまん延や自然災害、国内外の経済不安など不確実性が高まっている昨今で、自社に必要な人材を確保し続けることは容易ではありません。

採用ブランディングは準備も大変ですし、効果が表れるまでに時間もかかりますが、実行するメリットもたくさんあります。

企業の成長と発展のため、そして社員が働きやすい環境整備のためにも、自社の採用ブランディングについて考えてみる価値はありそうです。

本記事が、そのような企業にとって少しでもお役に立てば幸いです。 今月も最後までお読みいただき、ありがとうございました。