健康経営について考えよう

こんにちは!東京都江戸川区のユニケア訪問看護リハビリステーションです。

先日、ドイツとベルギーで行われたサッカー国際親善試合を、少しテレビで観ました。

日本代表はドイツ代表に4-1、トルコ代表には4-2で大勝し、一定の成果を上げられましたね。

ドイツには、昨年のカタールワールドカップに続き勝利を収めました。少し前までは考えられないことです。

1990年位まで、日本はワールドカップのアジア予選を勝ち抜けずにいました。

それに比べると、本当に日本は強くなりましたね。今後が楽しみです。

本日のテーマ

私たち訪問看護師やセラピストは、すでに疾患をお持ちの方をメインに看護サービスを提供しています。何とか住み慣れたご自宅・地域で生活が継続できるよう、微力ながらお手伝いしているつもりです。

しかし、時々思うことがあります。

それは、今元気に過ごしている方々に対して、その状態が少しでも長く続くような取り組みができないものか、ということです。

実際は、何らかの疾患をお持ちの方に対して、介護保険や医療保険を活用して訪問看護サービスを提供することが前提で運営しておりますので、いわゆる「元気高齢者」といわれる方に対してアプローチできているかといえば、現実は難しい部分があります。

しかし少子高齢化が進み、これだけ高齢者が増えてくれば、介護を必要としない状態が少しでも長く続くような取り組みをしていかなくてはなりません。

そこで今回は「健康経営」と題しまして、平均寿命と健康寿命との関係や、健康寿命を延伸するための各人・会社での取り組みの重要性について取り上げたいと思います。

どうか最後までお読みいただければ幸いです。

「健康寿命」と「平均寿命」とはどう違うか?

「平均寿命」という言葉は、恐らく誰でも聞いたことはあるでしょう。

しかし「健康寿命」については意外とご存知ない方もいらっしゃるようです。

平均寿命と健康寿命とはどう違いのでしょうか?

平均寿命とは「0歳における平均余命」であるのに対し、健康寿命とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義されています。

上記に添付したグラフによりますと、2019年の平均寿命は男性81.41歳、女性87.45歳であり、健康寿命は男性72.68歳、女性75.38歳となっております。平均寿命と健康寿命との差は、男性8.73年、女性12.06年です。

この差はどういう意味なのでしょうか?

あくまで平均的な話でありますが、男性も女性も、一定期間何らかの介護を要する時期が存在するということを意味するのです。

医療技術の進歩により人間の寿命自体は延びているものの、健康でいられる期間とは乖離があるようです。平均寿命の延伸が大変喜ばしいことに間違いはないのですが、健康でない時期が長く存在することは、必ずしも喜ばしいことではないように思います。

何らかの介護が必要であるということは、それだけ社会保障費も圧迫します。そして何より、少子化で生産年齢人口が激減する中で、少ない担い手で要介護者を支えていかなくてはならない、という難しい問題がはびこっているということです。

「健康寿命」は企業経営にも直結する問題である

平均寿命や健康寿命の多寡は、いわば人間個人の問題かもしれません。

しかし近年、企業経営にも密接に関連するといわれているのです。

少子高齢化に歯止めがかからず、企業経営の担い手を確保することが困難になりつつある中、健康寿命をどう延ばしていくかは大きな関心事といってよいでしょう。

実際、経済産業省では健康長寿社会の実現に向けた取組の一つとして「健康経営」を推進しています。

従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、健康の保持・増進につながる取組を戦略的に実践するという考え方です。

国民の健康維持については、国の公衆衛生施策などによるところが大きいですが、従業員が健康体で活躍してもらうためには企業の努力が不可欠です。

従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することが重要であると説いています。

企業理念に基づき、従業員の健康を保つための投資を行うことにより、従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、ひいては業績向上や株価向上につながると期待されます。

ただ実際は、企業全体で健康経営を実施することが簡単ではありません。

このあと、事業所レベルでも導入可能な「健康経営施策」について、筆者なりに考えたことについて取り上げます。

施策① サービス事業者として可能な「地域への取り組み」

当法人は訪問看護ステーションとして、訪問看護師やセラピストを多く抱えております。

皆、この仕事に情熱があり、常に研鑽を積む優秀なスタッフばかりです。

マンパワーとしては決して大きくないですが、地域の皆様と結集することにより、住民に対して何かできるはずです。

健康寿命を延ばすために注意すべき点として、国立がん研究センターなど国立光度専門医療研究センター6機関が、日本人の健康寿命延伸のために必要な予防行動等について、目標を提言していますので、引用させていただきます。

喫煙

タバコは吸わない。他人のタバコの煙は避ける。

飲酒

節酒する。飲酒するなら節度のある飲酒を心がける。

飲まない人や飲めない人にお酒を強要しない。

食事

年齢に応じて、多過ぎない、少な過ぎない、偏り過ぎないバランスの良い食事を心がける。

食塩の摂取は最小限に。

野菜、果物の摂取は適切に、食物繊維は多く摂取する。

大豆製品を多く摂取する。

魚を多く摂取する。

赤肉・加工肉などの多量摂取を控える。

甘味飲料は控えめに。

年齢に応じて脂質や乳製品、タンパク質摂取を工夫する。

多様な食品の摂取を心がける。

体格

やせ過ぎない、太り過ぎない。ライフステージ(年齢)に応じた適正体重を維持する。

身体活動

日頃から活発な身体活動を心がける。身体活動レベルの高い人では、がん、循環器病、2型糖尿病のリスクが低下する。
日頃から活発な身体活動を心がけ、現状より1日10分でも多く体を動かすことから始める。具体的な身体活動量の目安は、歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日60分行い、その中に、息がはずみ汗をかく程度の運動が1週間に60分程度含まれるとなお良い。また、高齢者では、強度を問わず、身体活動を毎日40分行う。

心理社会的要因

心理社会的ストレスを回避する。社会関係を保つ。睡眠時間を確保し睡眠の質を向上する。

感染症

肝炎ウイルスやピロリ菌の感染検査を受ける。インフルエンザ、肺炎球菌を予防する。

健診・検診の受診と口腔ケア

定期的に健診を・適切に検診を受診する。口腔内を健康に保つ。

成育歴・育児歴

出産後初期はなるべく母乳を与える。妊娠糖尿病、妊娠高血圧症候群、巨大児出産の経験のある人は将来の疾病に注意する。早産や低出生体重で生まれた人は将来の疾病に注意する。

となっております。

私たちは看護師・セラピストとして、上記に関することは熟知しており、学んできております。ご利用者様だけでなく、そのご家族や地域の皆様に対し、レクチャーなど何らかの活動ができるのではないかと考えます。

施策② 企業として従業員に対してできること

上記「施策①」の取り組みを、企業(法人・事業所)として実施することです。

当たり前ですが、会社は従業員の健康を管理する責務があります。

通常の検診だけでなく、例えば少しグレードの高い人間ドック等を社員に受けさせることも必要かもしれません。

また、保険指導も有効です。生活習慣病予備群だけでなく、社員全員に対して何らかの保険指導を提供することで、社員の健康に対する意識は飛躍的に高めることが期待できます。

ご利用者様の健康を守る立場の看護師・セラピストが、自身の健康に無頓着であってはなりません。

法人全体で、運動への取り組みを行うのもよいでしょう。

当法人など、身体機能分析の専門家(セラピスト)がせっかくいるわけですから、これをやらない手はありませんね笑

時間がないなら、例えば商工会議所などが運営する福利厚生サービスなどを利用して、スポーツクラブが安く利用できる仕組みを活用するのも一案でしょう。

さらに先程掲げた「心理・社会的要因」についての、会社からのアプローチも重要だと思います。当法人では、公式ホームページに大変力を入れており、様々な活動を発信しているわけですが、スタッフの頑張りを発信することにより「自分は独りではない」「周りには自分を支えてくれる仲間がいるのだ」という安心感を与えることができます。

そういう環境整備も、健康であり続ける秘訣の一つであると思うのです。

私たちユニケアは、訪問看護ステーションとして企業の健康経営に寄与するための可能性を模索し、何か貢献できればよいと考えております。

同時に、自社スタッフに長く健やかに働いていただけるよう、この「健康経営」の考え方を踏まえて事業運営していきたいとも思っております。

今回も最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

ユニケアではこれからも皆様にとって有益な情報提供に励んでまいります。

是非、私たちの取り組みにご注目いただけますと幸いです。

そして、当法人の取り組みにご興味をお持ちの方、是非ご連絡くださいませ。いろいろお話できればと存じます!!