訪問看護におけるターミナルケア研修を行いました!

2023年3月10日

こんにちは。東京都江戸川区のユニケア訪問看護リハビリステーションです。

先日、ユニケア管理者・青木による、スタッフ向けのターミナルケア研修が行われたのでそちらの内容をご紹介させていただきます。

冒頭の内容は、昨年11月の「人生会議の日」に合わせて江戸川区の熟年相談室の皆様のお力をお借りし、一般の方々へ講義を行わせていただいた際の内容をスタッフ向けに再作成したものになります。

ユニケア活動報告記事の中でも、大変人気な記事となっておりますので、下記の記事もご覧いただけますと嬉しいです!

「人生会議」をご存じですか?~介護者交流会で講義を行いました~


ターミナルケア(終末期医療)について

2017年度の厚生労働省「人生の最終段階における医療に関する意識調査」において、自宅で最期を迎えたいと希望される方は約7割だそうです。

一方で、現実は約14%しか自宅で最期を迎えることができていない現状があります。

その理由として、家族への負担や何かあった際の不安などが大きな理由としてあげられているそうです。

私たち訪問看護をはじめ、往診、ケアマネ、ヘルパーなどの各関係機関に求められることは、地域の皆さんが「自宅で最期を迎える」にあたり、その方の希望にできる限り寄り添った終末期医療を提供できる環境整備を行うことにあります。

在宅で最期を迎えるにあたり、本人と家族の意思は絶対必要条件です。

しかし可能であれば、看取る家族がいること、症状がコントロールされていること、往診するかかりつけ医がいること、訪問する訪問看護師がいること、積極的な延命治療を希望していないこと、緊急時の入院先が確保されていることなども満たされているとなお良い療養環境となるとも言われています(川越博美 在宅ターミナルケアのすすめ)。

上記の上で、次のような能力が看護職に求められています。

•確かな症状観察と判断、フィジカルアセスメント能力疼痛緩和などに関する正確な知識
•予測的な症状把握と家族指導
•医師や他職種との綿密な連携、調整能力
•他者とのコミュニケーション能力、人間関係形成能力
•確かな技術でケアを提供し療養者を安楽にできるケア提供能力
•療養者、家族の意向を確実に読み取る力
•療養者、家族の自己決定を支援する能力


非がん療養者の看取りについて

非がん療養者の看取りにおいては、経過が長く予後の予測がつきにくいこと、意思疎通が困難な場合は多いことがあります。

そのため、本人の価値観を尊重ししたいことを優先しながらも、家族の生活とQOL も重要とし、療養者本人・家族の思いを十分に聞いた関わりが求められます。

看護師としては、介護の必要度と介護者の負担を配慮し、積極的治療から緩和を中心としたケアへの移行を視野に入れる必要があります。
また、起こり得る困難症状への対応や臨死期の変化についての説明を行い、家族に対する死のオリエンテーションを十分に行うことが本人・家族の看取りにおける不安軽減の一助となり、安寧な最期を迎える援助に繋がります。


がん療養者の看取りについて

がん療養者の看取りにおいては、比較的予後の予測が立てやすく、療養者本人家族への全人的緩和ケア・精神的ケアの必要性が求められています。

医療者として、がん末期によく見られる精神症状・呼吸困難・浮腫/腹水/胸水・咳嗽・痰・嚥下困難・脱力/倦怠感などへの理解も必要です。

そして、医療職だけでなく、介護や福祉の方ともチームで行っていきながら、あくまでチームの中心は療養者と家族であるという共通認識も忘れてはいけません。


家族支援とグリーフケア

大切な存在を失う喪失体験により、人は様々な身体的・精神的・社会的反応を生じます。

これを「グリーフ(悲嘆)」といい、この喪失が現実となる前に本人や家族が死を予期したとき(近い将来、大切な存在を別れなければいけないかもしれないと意識したとき)に生じる様々な反応は「予期悲嘆」と呼ばれています。

生前の利用者に対する適切なケアの提供としては、苦痛の緩和・尊厳への配慮・清潔の維持を、更に家族への情報提供・質問への誠実な返答・随時の状態、治療の説明をし、家族に対する情緒的なサポートやそのサポートシステムの明確化を行っていきます。

また、喪失体験をした家族に対し、亡くなった本人への適切な死後のケアの提供、葬儀などの儀式が滞りなく行われるための支援、死別に関する情報提供と喪失を現実のものとし、故人がいなくても生活できるよう支援するすることも、訪問看護師によるグリーフケアの一環として実施されています。


ターミナルケア加算について

訪問看護ステーションにおいて、ターミナルケア加算を算定する際に必要な要件は次の通りです。

対象者

•ターミナルケアを実施し、在宅で死亡した利用者
•ターミナルケアを実施した後、24 時間以内に在宅以外で死亡した利用者

算定要件

•24時間連絡できる体制を確保し、必要に応じて訪問できる体制を整備していること
•体制の届出を行っていること
•主治医との連携の下に、ターミナルケアに係る計画、支援体制について利用者とその家族に説明し、同意を
得てターミナルケアを行っていること
•死亡日、死亡日前14 日以内に 2 日( 特定の利用者については 1 日)以上ターミナルケアを行っていること
•ターミナルケアの提供について必要な事項が適切に記録されていること


まとめ

・ターミナルケアではまず意思確認が必要
・在宅で最期まで過ごすための医療介護福祉体制が重要
・チームで関わっていく
・フィジカルアセスメントを含めた知識や技術が必要
・家族支援とグリーフケアを行っていく


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また次回の更新をお楽しみに♪