こんにちは!東京都江戸川区のユニケア訪問看護リハビリステーションです。
東京では桜は散ってしまいましたが、すっかり暖かくなりましたね。
新年度も始まりました。4つは新しい生活の始まりの時期でもあります。
このたび新社会人になられた方、おめでとうございます。
不確実性の高い世の中といわれる中、大変なこともあろうかと思います。ぜひご自身らしく、無理なさらずに取り組んでいただければと思います。筆者も社会人の先輩として、微力ではありますがお力になれれば幸いです。
また、先日は近所の小学校で入学式がありました。新一年生が新しいランドセルを背負って学校に通う姿は、いつ見ても幸せを感じます。
先日、筆者は子どもたちの登校を見守るための「旗振り当番」を担当したのですが、皆さん元気に挨拶してくれ、うれしく思いました。
私たち訪問看護師は、地域の健康や生活を守るための一翼を、微力ながら担っているわけですが、子どもたちの安全を守るのも非常に重要な取り組みです。今後、ユニケアでも地域の学校と連携を組んで、何かお力になれることはないかを模索できるとよいな、と考えます。
本日のテーマ
本日は「介護事業に役立つ補助金・助成金」をテーマに取り上げたいと思います。
補助金は結構水物であり、また情報もなかなか得にくいのが現状です。
また、補助金や助成金は数えきれないほどありますので、どれが自社に合うのかがわかりにくかったり、申請しようと検討したのに募集が終わっていたり等、難しい部分もあります。
しかし、上手に活用すれば非常に役に立つものであることも事実です。
今回は、補助金・助成金とは何なのか、また介護事業に役立ちそうな補助金・助成金をいくつかご紹介できればと思います。
是非お付き合いいただけますと幸甚です。
補助金・助成金が注目される背景
国や自治体等から支給される「補助金」や「助成金」が、今大変注目されております。
一番の背景としては、やはりコロナ禍が要因と考えられます。
飲食店を中心に、コロナ拡大時期においては営業自粛を余儀なくされ、国も飲食店の経営を支援する観点から様々な補助金等で対応してきました。もちろん、飲食店だけでなく、経済活動を支える企業はコロナ禍の影響を多大に受けてきましたので、特別融資を創設したりして何とか踏ん張ってもらおうと支援してきました。
補助金や助成金においても、コロナ禍によって新設・拡充されてきました。
今年に入ってだいぶ落ち着いてはきたものの、それでもコロナ支援は続いています。
原則返済不要と言われる「補助金」「助成金」(以下、総称する場合は「補助金等」。)について、その違いや特徴、受給に関する留意点について解説してまいります。
そもそも「補助金」と「助成金」はどう違うのか?
補助金・助成金とは、国や地方公共団体が予算をつけ、一定の事業や取り組みを行う企業等に対してお金を支給することです。
以下、補助金等の共通点と相違点について説明します。
【共通点】
・財源が公費であること
補助金等の財源は「公費」です(一部、民間主催の補助金等もあります)。
年度予算に基づいて配分され、その範囲内で支給されます。
予算には限りがあります。補助金等によっては毎年予算がつき継続されるものもあれば、当該年度で終了となるものもあります。
・原則「返済不要」であること
銀行融資と異なり、補助金等は適正に受給している限り、返済が不要です。
ですので、企業にとって補助金等は「収入」となります。
補助金は売上ではなく、実質的に「利益」となります(もちろん課税の対象にはなりますが)。
例えば事業の利益率が10%の会社が、ある補助金を申請して100万円受給できたとします。
利益率10%の会社が事業で100万円の利益を上げるには、1000万円の売上を計上する必要があります。
単純計算ではあるものの、補助金100万円受給できたということは、売上1000万円系除したことと同じになるということです。
これは非常に大きいですね。
【相違点】
助成金の場合、受給要件を満たし、期日までに申請し受理されれば、原則として支給されます。
これに対し、補助金の場合は採択枠が決まっていて、申請に問題がなくても不採択となる可能性があります。
以上が相違点ですが、中には「補助金」「助成金」の区別が明確でないものも存在しますので、申請にあたっては公募要項を熟読し、対応する必要があります。
代表的な補助金・助成金
補助金等は、ほとんどの場合「厚生労働省」と「経済産業省」が管轄しています。
厚生労働省の場合、雇用関係や医療福祉・公衆衛生に関する事業等を、補助金等の支給対象としております。代表的なものとして「雇用促進助成金」「トライアル雇用助成金」等があります。
これに対し経済産業省では、企業の発展や事業拡大等を支援することを目的に、対象となる事業を支給対象にしています。代表的なものに「小規模事業者持続化補助金」「事業再構築補助金」「IT導入補助金」等があります。
本コラムでも、過去に「ケアプランデータ連携システム」について取り上げました。
ここでも触れております通り、厚生労働省は導入コストが高額にならないように配慮することを明示しておりますが、場合によっては上記「IT導入補助金」を活用することが出来るかもしれません。
ちなみに概要ですが、
〇通常枠
ソフトウェア購入費用、クラウド利用費(クラウド利用料最大2年分)、導入関連費
〇セキュリティ対策推進枠
サービス利用料(最大2年分)
〇デジタル化基盤導入型
ソフトウェア購入費、クラウド利用費(クラウド利用料最大2年分)、ハードウェア関連費、導入関連費
■補助金額と補助率
〇通常枠 A類型
補助額 5万円~150万円未満
補助率 2分の1
〇通常枠 B類型
補助額 150万円~450万円以下
補助率 2分の1
〇セキュリティ対策推進枠
補助額 5万円~100万円
補助率 2分の1
〇デジタル化基盤導入型
・ITツール
補助額 下限なし~350万円
補助率 3分の2~4分の3
・PC、タブレット等
補助額 下限なし~10万円
補助率 2分の1
・レジ、券売機等
補助額 下限なし~20万円
補助率 2分の1
となっております。
また、小規模事業者持続化補助金も、従業員数の少ない「小規模事業者(商業・サービス業の場合従業員数5名以下)」が対象になっているため、介護事業所では需給は難しいかもしれませんが、例えば居宅介護支援や訪問介護等少ない人数で事業をされている法人であれば対象になるかもしれません。
この補助金は、販路拡大や生産性向上に取り組む法人を支援するものです。
基本は50万円、類型によっては最大200万円支給するタイプもあります。
事業計画書は5ページ程度で、少し頑張れば作成可能です。このようなものも活用されるのも一法ですね。
留意すべき点
・申請はお早めに
申請期間は短いケースが多いため、迅速に情報をキャッチし早めに申請手続きをする必要があります。
申請書類に不備がある場合、修正を求められますし、最悪不採択となってしまいます。また、予算には限りがあるため、期間中でも終了となる場合もありますので、注意しましょう。
・事業期間が存在する
補助金等は、「事業期間」が設けられている場合が大半です。
期間外に支出した費用等は、補助金等の対象外となる可能性がありますので、留意が必要です。
・補助金等は実績報告に基づき「後払い」される
補助金等は「後払い」が大前提です。
要は、補助金支給までにかかった費用は「立替払い」となるということです。従って、資金繰りが必須であることを十分認識しなければなりません。
事業終了後には実勢報告として、報告書類や証票等の提出が必要になります。この手続きを経て、ようやく支給されるわけです。不備があると支給が遅れるばかりか、最悪の場合支給されない可能性もありますので、注意しましょう。
・不正受給は「犯罪」
万一虚偽の申請や実績報告が判明した場合、処罰の対象となり得ます。
コロナ禍の目玉施策であった「持続化給付金」において、不正受給が多発しました。
持続化給付金の不正受給者は1,856者、総額は約18億8251万4210円(中小企業庁調べ)であったそうです。
不正受給は絶対に許されないことを、肝に銘じておきましょう。
まとめ
補助金等は膨大に存在します。そこから、対象となり得る補助金等を探すのには、困難を極めます。
受給を検討する上で、最新情報に耳を傾けることは必要不可欠です。商工会議所や商工会、あるいは税理士や社会保険労務士、中小企業診断士等の専門家を活用するのもよいでしょう。
企業が雇用促進や維持し、あるいは事業拡大を図る上で、補助金や助成金の活用は大変有用です。
機会損失をすることなく、補助金や助成金を効果的に活用することで、不確実性の高い状況を乗り越えたいものです。
今回もお読みいただき、誠にありがとうございました。
皆様、季節の変わり目は体調を崩しがちですので、どうかご自愛くださいませ!!
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