こんにちは!東京都江戸川区のユニケア訪問看護リハビリステーションです。
早速ですが、今月に入りある就活サイトにて「底辺の仕事ランキング」が取り上げられ、批判されるというニュースがありました。
「底辺の仕事」として挙げられた業種の中に「介護」も入っていたのです。
介護という仕事は本当に「底辺の仕事」なのでしょうか?
この業界に身を置く私たちとしては、この扱い方を到底見過ごすことはできないでしょう。
今回は「介護は本当に底辺の仕事なのか」をテーマに取り上げ、介護の魅力等についてユニケアとして考えることを発信したいと思います。
是非最後までお読みいただけますと幸いです。
まず申し上げたいこと
まず先に、声を大にして申し上げたいことがあります。
それは、介護は決して底辺の仕事ではなく、日常生活においてなくてはならない貴重な仕事の一つであるということです。
少なくとも当法人のスタッフは、介護という仕事に誇りをもって向き合い、研鑽を積み、そして真摯に心を込めてサービスを提供しております。
皆様も、いまさら申し上げるまでもなく同様であるはずです。
介護を「底辺の仕事」と位置付けられてしまうことには、その手段や趣旨にかかわらず、とても賛同できませんし悲しくなります。
介護の現場で行われていること、求められていること
介護が底辺の仕事ではなく、社会に欠かせない重要な仕事であることを見事に表現しているものがあります。
公益財団法人日本介護福祉士会の会長である及川ゆりこ氏のご挨拶文です。
以下、謹んで引用させていただきます。
2025年から2040年に向かい、介護サービスの需要はさらに高まるといわれています。
その渦中にいる私たちは、どのような役割を果たしていくのでしょう。
介護福祉士に求められる役割は、国民の社会生活をより良いものにすることです。
その一つが、老いていく親の生活を安心して任せられる「介護離職ゼロ」の社会にすること、もう一つは、介護予防から、認知症ケア、ターミナルケア、障害福祉サービス利用者の高齢化に伴う「65歳問題」など、複雑化・多様化するニーズへの対応が求められる介護福祉現場のリーダーとして、チームケアのマネジメント、チームメンバーの指導育成を行い、クオリティーの高いケアを提供することです。
今般の新型コロナウィルス拡大においては、私たち介護福祉士や介護職の必要性がクローズアップされ、国民の生活に欠かせない価値ある仕事であることが社会的に再認識されました。
これから、介護サービスの需要がさらに高まること、少子高齢化の影響で私たちの仲間が充分に増えていかないこと、多様な人材の受入れによる指導方法の在り方について、改めて考えていく必要があること、などの課題も見えています。
これらの課題はいずれも介護福祉の専門職である私たちが向き合うべき課題です。
職能団体として、これらの課題を介護福祉士と共有し、多くの議論を重ねいくつもの答えを創造してまいります。
私たちの誠実な介護実践は、国民が求めるものであり、国民の生活に安心を約束するものであるのです。
「介護福祉士は、国民が安心できる社会生活を保障します。」
このために私は、全国の会員の皆様の声を集めに参ります。
この文章をお読みになり、自らの仕事に置き換えて考えたいのです。
会の性質上、介護福祉士を主体に語られてはおりますが、そのまま「介護に関わっていらっしゃる方全員」と読み替えて全く問題はないと思います。
上記に示されているメッセージの内容は嘘偽りのない事実であり、日々私たちが行っているサービスそのものです。
介護業界の現状と役割等について見事に表現されております。
それでも介護は「底辺の仕事」と言うのでしょうか?
介護を「底辺の仕事」と言われる理由があるとしたら・・・
自分たちが日々情熱をもって取り組んでいることを、業界をよく知っているわけでないない方から「底辺」扱いされたのではたまりません。
前述の日本介護福祉士会・及川会長は、今回の件で発信者に対し、公式サイトにて抗議声明を出されています。
業界団体の代表者として、とても看過できない話であったことが容易に推察されます。
発信主体者がこれにどう対応するかについてはさておき、なぜ「底辺の仕事」と位置付けられているのか・・・
サイトによると、介護の仕事を
①介護の仕事は誰でもできる
②結婚のとき苦労する
③肉体労働
④同じことの繰り返し
⑤年収が低い
等と評価をしているようです。
あまりにひどい物言いだなと、半ばあきれてしまいますが・・・
少なくとも、①と④は絶対に違います。
介護は、誰にでもできるような簡単なものではありません。
確かな知識と経験がないとできないものです。
しかし、確かな研修の仕組みとチームワークが機能しており、何より介護のマインドが熱い方であれば、経験が浅くても活躍のフィールドはたくさんありますし、実際にも活躍されている方は大勢いらっしゃいます。
それでも、簡単には行かないものです。
また、介護サービスの相手方はご利用者様です。
しかも生身の人間であり、疾患を有し、何らかの介助を要する方です。
ご利用者様の病状や生活の様子等は刻一刻と変化するものであり、同じであることはありえません。
私たちが提供するサービスは決して「同じことの繰り返し」「単純作業」ではないのです。
②については、人それぞれ考えがあるかもしれませんが、少なくとも筆者は長年介護業界に身を置いていることにより、結婚に苦労したという実感は全くありません。
筆者の配偶者は介護とは無関係の仕事をしておりますが、むしろ十分に理解し、尊い仕事をしていると褒めてくれます。ありがたいことです。
少なくとも、介護の仕事をしていることにより、一律に「結婚に苦労する」と解釈をするのは違うかな、と思います。
③は、確かにそういう部分があるのは否定できません。
介護、特に身体介助を行うのは大変です。介護職の身体的負担は相応にかかり、中には慢性的な腰痛を抱える方もいらっしゃるのは事実です。
ただ、介護技術を上手に駆使することにより、介護職の身体的負担を軽減することはできます。
近年では介護ロボットの研究等も進み、介護人員不足を解消するための先進技術の導入も始まってきています。
まだまだ道半ばではあるものの、少なくとも少しずつ前進していることは事実です。
そもそも、今回ランクインされていない業種でも、肉体労働と言えるものもあるはずです。
偏見の要素が強いと言わざるを得ませんね。
⑤について、全業種に比べると低いというのは事実であり、何とかしなければならない重要課題であります。
介護報酬は公定価格です。
スタッフの待遇をよくするために、一義的に事業者主体で努力することは当然です。
しかし、社会保障の仕組みでサービス提供するという性質上、企業努力のみに頼るのは限界があります。
介護職の給与を上げていくためには、介護報酬改定のいかんにかかわる部分が大きいのが現状であり、業界全体で声を上げていくことは必要となるでしょう。
今回の一件は何が問題であったのか?
新卒で就活する方にとって、どの業種を選択するのかは非常に重要です。
ですので、情報はたくさんあるに越したことはありませんし、その業種にとってネガティブな情報も盛り込むことで、労使双方のミスマッチを減らす効果もあるでしょう。
しかし、今回は論点が「介護=底辺」という結論ありきで語られているように思えてならないのです。
かつ、介護をはじめとする「底辺」と位置付けられた業種について、その背景を十分語らずにマイナス面ばかりを取り上げ、そのインパクトが強すぎてしまったことかと思います。
確かに、仕事はきれいごとでは済まない部分はありますし、どんな仕事でも嫌なことはあるでしょう。
反面、それを上回る位魅力的なものもたくさんあるはずです。
少なくとも、介護の仕事ではそう言えると思います。
ユニケア訪問看護リハビリステーションで特に力を入れて取り組んでいることの一つに「見える化」があります。
まだまだ十分とは言えないかもしれませんが、私たち訪問看護師やセラピストたちの取り組みを、ホームページやブログ等で取り上げるとともに、定期的に地域の皆様と顔を合わせる機会を設けております。
日々サービスを提供しながらの発信は、正直申しまして簡単ではありません。
しかし、少しずつであっても発信し続けることにより、1人でも多くの方に当法人の取り組みをご覧いただき、ひいては業界発展のために微力であってもお力になれれば、という思いで行っているつもりです。
そういう意味でも、私たちは更なる努力が必要であると言えるかもしれません。
周囲から底辺の仕事と揶揄されようが、それに負けない努力をし続ける必要があります。
今回の一件は非常に残念でしたが、上記のことを教えてくれたのだと、改めて前向きに捉えております。
介護とは「魅力があり」「クリエイティブで」「社会貢献の最たるもの」
介護の仕事は簡単ではありませんが、それを上回るだけの魅力が介護の仕事にはたくさんあります。
以下、以前研修を行使を仰せつかった際に、ご参加者様にお渡しした資料の内容を引用したいと思います。
介護の仕事は、魅力が満載!
どんなに揶揄されようが、私たちは目の前のご利用者様のため、仲間のため、地域のために、これからも粛々と努力を重ねてまいります!!
ユニケア訪問看護リハビリステーションでは、訪問看護師の魅力ややりがいについてこれからも発信し、同時に当法人の様々な取り組みについてご紹介してまいります。
そして、ユニケアのファンを1人でも多く増やすことにより、私たちが提供する訪問看護サービスの質をもっと高めていく所存です。
今回もお読みいただきまして、誠にありがとうございました。
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