こんにちは!東京都江戸川区のユニケア訪問看護リハビリステーションです。
だいぶ涼しくなってまいりましたね。皆様いかがお過ごしでしょうか?
この時期、体調を崩しがちになりますので、どうか皆様ご自愛くださいませ。
最近、スタッフさん向けに「タレントマネジメント」をおこなうことが注目されています。
海外にはじまり、グローバル企業を中心に日本でも活用するケースが増えつつあるタレントマネジメントは、人材育成にどのような効果があるのでしょうか。
私たち訪問看護ステーションでも、スタッフたる訪問看護師さんやセラピストさんに対して、ただ「資格がある」「経験が〇年ある」ということだけで評価をするのは難しくなってきているようにも思います。
スタッフさんの能力を洗い出し、評価し、適材適所へ配置してご活躍いただくにはどうしたらよいか。
そしてその結果、企業の業績にどう反映させるか。
このあたりについても考察していきたいと思います。
タレントマネジメントとは
タレントマネジメントとは、直訳しますと「才能をマネジメントする」という意味になります。
個々の従業員が持つタレント(資質・能力・才能)やスキル等を会社が一元的に管理することで、行き当たりばったりではない「戦略的な」人材管理を目指します。
従業員は、適所配置されることで自身の力をいかんなく力を発揮する可能性が広がりますし、キャリア形成の重要な一助ともなり得ます。
会社側も、従業員の能力を最大化することでスピーディーな事業展開が図られ、ひいては全体的な業績の底上げも期待できます。
タレントマネジメントが注目される背景
日本においてタレントマネジメントが注目された背景として、主として2つあると見られています。
1つは「少子高齢化による人口減少」が挙げられます。
2021年10月1日現在、15歳から64歳のいわゆる「生産年齢人口」は7450万4千人。これは比較可能な1950年以降、過去最低となっております。
働き手の絶対数が不足していることに加え、人々の働き方も多様化してきております。
新型コロナウイルス感染症の拡大も相まって、日本でもテレワークやジョブ型雇用等が進んできつつあります。
これまで常識的に行われてきた「終身雇用制」「大量採用」が難しくなる中、限られた経営資源で生産性を向上させるための手段の一つとして、タレントマネジメントが注目されるのは自然な流れであると思われます。
そしてもう1つに「ビジネス社会の急速な変化への対応」が考えられます。
AIやICTといったテクノロジーの進化により、ビジネス展開はよりスピーディーになりつつあります。
ビジネス環境の変化に対応するために、企業は自社の戦力(人材)を見つめ直す必要性が生じてきています。
従業員の持つスキルや能力をしっかり管理し、適所配置をしていくというタレントマネジメントの考え方が注目されるのも、これまた自然な流れなのかもしれません。
タレントマネジメントをおこなう目的
ここまで、タレントマネジメントが注目されるようになった背景をご紹介してまいりましたが、企業がタレントマネジメントをおこなう目的には、どのようなことが考えられるのでしょうか。
・経営目標の達成
企業が立てた経営目標を実現するための手段の一つとして、人・モノ・カネ・情報といった経営資源がありますが、タレントマネジメントはそのうちの「人」に着目した考え方です。
経営目標の達成を人事面から支える。これはタレントマネジメントの真骨頂と言ってもよいと思われます。
・次世代リーダーの育成
タレントマネジメントを実施する目的として、次世代リーダーの育成も重要です。
ダイバーシティの取り組みが進み、企業は多様な価値観・バックグラウンドを持つ従業員が多数集結するようになってきています。
多様化した組織を取りまとめる優秀な次世代リーダー候補を発掘し、育成することにも、タレントマネジメントは役立つでしょう。
・効果的な人材採用と離職の防止
従来の人材採用形式の一つとして、新卒一括大量採用というものがあります。
しかし、企業を取り巻く環境が急速に変化する中、企業にとって必要な能力や経験を持った人材を採用することも重要になってきています。
タレントマネジメントを上手に運用することにより、企業が求める人材を採用し、適所配置することが期待できます。
従業員側も、自身の能力にあった環境で仕事ができればやりがいも生まれやすくなるため、人材の定着にも役立ちます。
タレントマネジメントの効果・メリット
先程、タレントマネジメントについて解説いたしました。
ではタレントマネジメントを実行することにより、どのような効果が期待できるでしょうか。メリットも含めてご紹介してまいります。
戦略人事の「戦略」には、2つの意味を持つと考えられます。
1つは、従業員や求職者が「ここで働きたい」と思っていただける環境を作る、という意味です。
激しい人材獲得競争に勝つために、タレントマネジメントを駆使して人材の獲得・定着を目指すことになります。
もう1つは、企業の経営戦略につなげるため、という意味です。
「人」は、経営資源の中でも最も重要な資源になります。
スキルや経験、能力等によって評価・選定された貴重な人材であれば、良いパフォーマンスが発揮され、ひいては経営成績の向上に結び付くでしょう。
タレントマネジメントの最大の特徴の一つに、適材適所の人材配置が挙げられます。
従業員を履歴書や職務経歴書、学歴だけでなく、タレントマネジメントによって個々の従業員のスキルが可視化されれば、その人のどこを伸ばしていくべきか、ギャップを埋めていくにはどうすればよいかが見つけやすくなります。
従業員のスキルや能力がしっかり把握することにより、その人にあった部署配置や業務割り当てが可能になり得ます。
企業は常に、変化の激しい競争環境に晒されています。
不確実性が高いといわれる現代社会において、新卒入社者の育成や階層別研修のように特定の属性の社員を対象とするだけでは、なかなか成長は期待しにくくなってきています。
自社の人的リソースである全従業員をフラットに評価し、優秀な能力を持つ人材に活躍のチャンスを与えていくことが肝要です。
年次や役職・役割に関係なく評価の対象とするのが、タレントマネジメントのポイントと言えるでしょう。
また、優秀な人材の流出リスクの低減にもつながり得ます。
情実評価や社内政治による人事ではなく、従業員の個々の能力やスキル、経験等を細かく分析し、必要なタスクを割り当てていければ、従業員のモチベーションは高まるでしょう。
さらにその人のキャリアを高めるためのテーブルが用意されていれば、優秀な社員はそこを目指しやすくなるため、結果的に人材流出リスクを低減させることにつながるかもしれません。
気をつけるべき点
・弱点の克服ではなく、強みを伸ばすことに目を向ける
タレントマネジメントは、いかにして個人の能力を最大限発揮させるかに軸足が置かれています。
そのため、タレント人材の成長を促すアプローチとしては、不足している能力を身につけさせること以上に、自身が秀でた能力を更に伸ばしていくことを優先することが重要です。
本人が意欲的にチャレンジできるアサインメントをおこなう意味でも、強みに着目することは大切です。
・マネジメントのPDCAを機能させる
上述したように、タレントマネジメントは本人が挑戦した結果を適切に評価しなければ、あまり意味のないものになってしまいかねません。
従業員には、結果の良し悪しを率直に評価するという緊張感の中、自身の可能性を広げ得る仕事にも果敢に挑戦してもらい、評価をフラットにフィードバックし、課題を改善しながら次のチャレンジにつなげていく。
このようなPDCAのプロセスを組み込んで運用することが大切ですね。
・従業員の意思・信頼関係がないと成り立たない
タレントマネジメントを実現する上で、従業員の能力や志向、コンディションを正確に把握することは重要です。
しかし、例えば個人のキャリアビジョンを把握しようとすると、本人の人生観や家庭の事情といったプライベートの事柄も密接に関わってきがちです。
そのためには、会社や上司との信頼関係を構築することが大切です。これが前提になければ、従業員からの正しい申告は望めなくなるでしょう。
従業員も、会社や上司を信頼できれば本音で話がしやすくなり、ネガティブな相談もしやすくなるのではないでしょうか。
そのような「心理的安全性」を担保することこそ、タレントの選抜や特別な機会提供の大前提ともいえるでしょう。
まとめ
今回は「タレントマネジメント」についてご紹介いたしました。
介護業界が類を見ない人材難であることは事実です。
現在のスタッフさんにどのような能力やスキルが備わっているのかについて、細かく分析していくことはとても大切なことだと思われます。
スタッフさんがやりがいをもって活躍出来、それがロールモデルになれば最高です。
採用活動にも大いに役立つかもしれませんし、今いらっしゃる人材の定着にもつながるかもしれません。
ユニケア訪問看護リハビリステーションでは、訪問看護師の魅力ややりがい介護保険制度の動向等、皆様にとりまして有益な情報をこれからも発信し、同時に当法人の様々な取り組みについてご紹介してまいります。
そして、ユニケアのファンを1人でも多く増やすことにより、私たちが提供する訪問看護サービスの質をもっと高めていけるよう努力いたす所存です。
「訪問看護に興味がある」「訪問看護を学んでみたい」という方、ぜひユニケアでご一緒に知見を広げていければと存じます。ぜひお気軽にご連絡いただけますと幸いです!!
今回もお読みいただきまして、誠にありがとうございました。
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