こんにちは!東京都江戸川区のユニケア訪問看護リハビリステーションです。
すっかり秋も深まり、紅葉の時期となってまいりました。
今回の冒頭写真は、秋らしく「美しい紅葉」にしてみました(笑)
当法人は、江戸川区内にて訪問看護ステーションを2ヶ所運営しております。
2019年4月の開設以来、ここまで事業継続ができておりますのも皆様のご支援の賜物と、心より感謝いたしております。
そして最近では千葉県市川市内に「障害者グループホームユニティ」を開設!!
障がい者グループホームの開設は、当法人代表の悲願でありました。
訪問看護サービスを通じて、ご自宅で療養されている障がい者の方々と多く接してきた中で、障がいをお持ちの方の生きづらさを切に感じてきました。
障がい者の方々が少しでも生活しやすい環境を、私たちの手で何とかつくれないか想いから、グループホームを開設した次第です。
毎日忙しくしておりますが(笑)、楽しくお仕事させていただいております。
お時間がありましたら、是非公式ホームページを覗いてみて下さいませ!
本日のテーマ
突然ですが、現在小学校等で「総合的な学習」という授業が行われていることをご存知でしょうか。子育てをされている方でしたら、お聞きになったことがあるかもしれませんね。
「総合的な学習」の意義を一言で表すならば、「生きる力を育てる」こと。この一言に尽きるのではないでしょうか。
「生きる力を育てる」ことと、介護・福祉の分野とは密接な関係があると筆者は考えます。
今回は「生き抜く力」をキーワードに、介護福祉教育を子どもたちにどう伝えていくかについて取り上げてまいります。
総合的な学習の目的
近年、日本の小中高等学校において「総合的な学習」が行われておりますが、その目的について、文部科学省のHPには以下のように記載されております。
総合的な学習(探究)の時間は、変化の激しい社会に対応して、探究的な見方・考え方を働かせ、横断的・総合的な学習を行うことを通して、よりよく課題を解決し、自己の生き方を考えていくための資質・能力を育成することを目標にしていることから、これからの時代においてますます重要な役割を果たすものである。
と。
筆者も最初にこの「総合的な学習」という言葉を耳にしたとき、先生から何かテーマが与えられて、子どもたちがグループで話し合って発表するというような、抽象的なイメージしか持ち合わせていませんでした。
しかし今回、コラムを執筆するにあたっていろいろ調べてみますと、非常に奥深い学習であることがわかったのです。
「総合的な学習」と「介護福祉」との密接な関係性
先程、総合的な学習の意義は「生きる力を育てる」ことであると申し上げました。
それでは、この学習と介護福祉分野とは、どのような関係にあるのでしょうか。
人間が生きていくには、コミュニケーションが必須になります。
コミュニケーションを取るために、人は「言葉」を使いますが、病気等が原因で言葉を使うことができない場合であっても、人は何らかのコミュニケーションを取って関わっているわけです。
私たちが携わっている「介護・福祉」について学ぶことは、コミュニケーションツールとしての言語を習得することと同じ位重要であると思うのです。
介護や福祉分野は、実際に援助を行う特定の人だけが学べばよいという、そんな閉鎖的なものではありません。
なぜなら、人間はひとりでは絶対に生きてはいけないからです。
人間だれしも、生きていく中で何らかの「困りごと」が生じるものです。
困った時には、誰かの助けが必要になってきます。
その究極の形の一つが「介護」「福祉」であります。だから、すべての方々が「自分事」として学ばなければならないと考えます。
「生き抜く」ために必要なこととは?
小学生になれば、学校に通って国語や算数、音楽や体育等、様々な教科を勉強します。
中学や高校に進めば、科目も多岐にわたり、かつ難易度も高くなります。
どれを取っても大切な教科ばかり!一つとして無駄なものはありません。
将来どのような道に進もうが、学校でしっかり勉強するのは当たり前であると筆者は思います。
ただ、人間が生き抜くためには、学校の勉強だけで十分なのでしょうか?
学校の勉強が大事であることは至極当然としても、筆者はそれだけでは不十分だと思うのです。
例えば、日本人は納税の義務がありますが、税金について学生時代にしっかり学んだ記憶がありません。お金についても同様で、生きていく上で資産をどのように形成し、殖やし、将来に備えるかについて子どものころに学んだ記憶がありません。
介護や福祉についてもそうです。
大人になって親元を離れ、結婚や出産、子の成長、親の老いといったライフスタイルの変化に直面した時に、はじめて資産形成やマネープラン、そして介護のことを学ぶというのが実情ではないでしょうか。
世の中は「不確実性の高い時代」と言われるようになって久しいです。
2020年に世界中にまん延した新型コロナウイルス感染症。まさかこの感染症が2年、3年と続き、私たちの生活を激変させることになろうとは、当時予測できたでしょうか。
また、紛争にしても「どこかの国での出来事」と思われがちですが、実際に大規模な紛争は起きていて、それが原因で経済不安を引き起こしているのも事実なのです。
このような予測不可能な時代のことを、文部科学省では「VUCAの時代」と呼んでいるそうです。
困難に直面したときに慌てて備えるようでは、もはや間に合わない状況になってきています。
「総合的な学習」における介護福祉教育の事例
最近の小中学校教育は、少なくとも現在子育て真っ最中の筆者世代とは装いが全く異なっているようです。
例えば、東京都の公立小学校の総合科では、3学年時に「みんなにやさしい町」と題して、障がいのある方や高齢者の方との交流を通じて、その方の立場に立って考える姿勢や共存していくことの重要性を学ぶという事例があります。
上記の画像をご覧いただければと思います。
こちらは「東京都教職員研修センター」のホームページから引用させていただきましたが、かなり本格的な内容になっております。
これ位しっかりと子どもたちが学べれば、介護への理解がもっと深まることが期待できます。
※参考URLとしてリンクを貼っておりますので、ご興味があればご覧くださいませ。
ここまで本格的な授業となりますと、専門外である学校の先生にはさすがに重荷かもしれません。
ただ、こういう授業は学校の先生でなくとも、教えることに長けている専門家にお任せすればよいと思います。
実際に通知表上評価点をつけるというのであれば、学校側と十分なすり合わせが必要ですが、基本的には専門家に委託して行うのが現実的かと思われます。
実際に、行政が業界団体に委託して実施する事例もあるようです。
新潟県介護福祉士会では、新潟県からの委託を受けて、平成28年度から介護の仕事の価値観の向上、普及啓発のための取り組みを実施しているそうです。
現役の介護福祉士の方が、県内の小中高等学校に赴き、介護の魅力ややりがい、仕事の内容等について伝える「キャラバン隊」として活躍されています。
体系的な学習でなく単発であっても、このような授業を行うことそのものに意義があります。
専門家である介護福祉士さんがファシリテーターとなり、テーマを与えてグループワークをしたり、子どもたちに感想を述べてもらったりするのは非常に有益です。
また、今はコロナ禍が完全に払拭できていない状況なので難しいですが、本当は実際に施設等に出向いて研修したりするのも有意義かと思います。
コロナ禍であっても、できることはきっとあるはずです。
さらに、明治安田生命グループでは「MY介護の広場」というポータルサイトを開設しており、その中で小中学生等へ介護啓発を図る一貫として様々なコンテンツを紹介しております。
このコンテンツは非常に興味深い内容が盛りだくさんになっております。
ただ、せっかくよいサイトをつくられているのであれば、多くの方々に閲覧していただきたいものです。
保護者から子どもへと伝える形となるのでしょうが、現状はなかなか難しいと思われます。
やはり、実際の教育現場で存分に活用するのが望ましいのではないでしょうか?
まとめ
介護教育を、未来ある子どもたちに何とか浸透できないものか、という思いから、今回テーマに掲げ執筆いたしました。
介護人材の確保にしても、人にやさしい街づくりも、やはり啓発活動が重要ではないかと思います。
これから少子高齢化はますます進むわけですし、多くの方に理解していただく必要がありますよね。
当法人でも、今後機会があれば近隣の小中学校等に対して何らかの啓発活動ができないか、考えていきたいと思っております。
今回もお読みいただきまして、誠にありがとうございました。
ユニケア訪問看護リハビリステーションでは、訪問看護師の魅力ややりがいについてこれからも発信し、同時に当法人の様々な取り組みについてご紹介してまいります。
そして、ユニケアのファンを1人でも多く増やすことにより、私たちが提供する訪問看護サービスの質をもっと高めていく所存です。
当法人の訪問看護サービスの魅力についてもっと知りたい!と思われた方、お気軽にご連絡くださいね。
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